こぼれ話【看板作りの今と昔】

  看板製作について


うちは創業66年にもなりまのでその間ずいぶんと技術は進歩してきました。

今はインクジェット印刷という素晴らしいものがありますから”あっ”という間に色鮮やかに出来上がります。

それこそ初代(現社長の父親)が創業した頃は筆1つで始めました。

字を書くことが好きだったので看板屋になったという事です。

当時、看板に書く文字はすべて筆でもってペンキで仕上げていました。

とくにガラス面に金箔で文字を入れる作業においては高い技術を求められる為、それなりの金額になったそうです。

松田工芸社 創業時の本社の様子

 

 

 

 

 

 

 電灯電飾看板からネオン、ネオンからLEDへ 


そのうち電灯が中に入った電飾看板というものが出てきました。

プラスチック面に糸ノコで切っておいたプラスチック製の切文字を注射器で接着剤を注入して貼っていくという作業をします。

今なら粘着シートの切文字やインクジェット印刷されたシートを貼るだけですみます。

街を明るく彩るのはネオンでした。

パチンコ屋さんやファッションホテルは競うようにネオンを沢山つけてギラギラさせていました。

うちではネオン自体の製作は外部に委託をしてデザインと取り付けはしていました。

しかし高い所のネオンが切れると交換するのが大変です。

今ではネオンからLEDに変わり、安全で長持ちする様になり交換頻度も大幅に減らす事が出来ました。

 

 本社ビルが建ち、工場を別に移転した頃

 

いち早くカッティングプロッターを導入しました。

パソコンでレイアウトした文字を自動でシートにカットしてくれる画期的なものです。

これならば文字がきれいに揃い、字が下手な人でも看板が作れます。

スピードも上がります。

材料もペンキからシートに変わりました。

機械化が進み、どんな書体の文字もできます。

しかし・・・です・・・。

整いすぎてしまったが為に文字に”味”がありません。

選挙の応援文字は先代が書けば当選すると言われた”生きた文字”がいいのです。

そこで初代社長が生前中2000文字ほど書いた楷書をデータ化し『松田楷書』として保存・活用しています。

お客様にコンピューターの楷書と松田楷書をそれぞれ使用したレイアウトをお見せすると必ず『松田楷書』を選んでいただけます。

これは当社の強みであり、宝と言えます。

 

カッティングシートが主流になってきても、今度はイラストなど色が重なり合うような物は表現しづらいという問題が出てきました。

その難題を解決してくれたのがインクジェット印刷です。

色鮮やかでグラデーションも細かな文字や写真まで1枚のシートに写し出せるようになりました。

現在はこのインクジェット印刷とカッティングシートを主に使い看板を作っています。

 

現在の本社

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に・・・

 

このように66年にわたり紆余曲折ありながら現在の”松田工芸社”になりました。

完全手作業時代やアナログからデジタルへの移行期にかかる労力や思いを考えると、移行後しか知らない者はもっと先駆者に対して敬意を払うべきなのかもしれない・・・そう感じました。

以上、創業から現在までの看板製作こぼれ話でした。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

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